孤独な社会の道具。“殺し屋”を描いたマンガ8作品



人を殺すために存在する殺し屋

かっこいい反面孤独な部分、愛おしくさえなる人間らしさが見え隠れする


特に漫画に出てくる殺し屋は味があってかっこいい


ということで8作品を読んで思ったことやら







殺し屋1 

殺し屋1(イチ) 1

【あらすじ】人を殺して自慰にふける強烈なドS性を心に秘める殺し屋1は、ある事件をきっかけにドMなヤクザの組長との対決が始まる


命と本能の剥き出し

変態による変態的な愛情表現

ドSな殺し屋の1

どMなヤクザの組長

けっして一般には理解されない趣向を持つ2人

そんな究極の孤独を持ちながら2人は接触する

いとまはこの展開に至る部分を読んでいるとき予想したのは、生まれて初めての共感を、殺し合いの中、無意識下で2人が感じること

でも予想に反してそれは大きく裏切られた

本当の変態は孤独すらも1つの悦楽に変えてしまう

痛みや苦しみ、孤独や疎外。

そういったあらゆる負に全身を委ねた人間にしかわからない生き方があるのを知った


グロテスクでブレーキのない行為(表現)も

ある意味、本質的だし人間らしさを感じた


だからものすごく痛そうな描写がたくさんあるけどそこまで嫌にはならなかった 

いま、むしろこれは感心した  

こんな痛たそうなことよく思いつくな


後を引くねばっこい描き方、胸糞悪いシーンも多数


それでも・・・いやだからこそオススメの作品

 

 











 



スズキさんはただ静かに暮らしたい


スズキさんはただ静かに暮らしたい 1 (ゼノンコミックス)


鈴木さんは天才的な殺し屋です

子供の頃に家族を殺し屋に皆殺しにされて以来、心を閉ざして1人で生きてきました
静かな日々を送る中、あまりにも隣の部屋が騒がしかったので、文句を言いに行くと殺し屋が親子を抹殺しようとしていました

もちろんスズキさんはそんなことには関わりたくないし、最初は気づかなかったんですが

銃口を向けられたことで体に染み付いた技術が発動してしまいその殺し屋を殺害してしまいます

母親はすでに殺されていて、子供だけが残っていました

見られた以上は殺すのが鉄則 

だがスズキさんはあることを理由に思いとどまってしまう   



1つの選択がすべての始まり  



殺し屋には分不相応な“愛”という重り



割り切って殺し道に生きる殺人マシーンが触れてはいけない純粋さを持つ子供という存在



触れたモノすべてを傷つけてきた人間が誰かを守ろうとする不慣れさがとても切ない

たどたどしく誰かを思っても空回りをして、自己矛盾に陥り、素直になれない


決して相容れない違う世界の人間が交わってもどちらも幸せになれないんだろうなーってしみじみ思った  

相手も、自分さえも傷つけながら、それでもただ今は、今だけはこのぬるま湯に浸っていたい




立ち位置を履き違えるとロクなことにならない  

世界の調和を乱す異物になれば、ただただ排除されてしまう  

それをわかっていながらスズキさんは愛という一種のエゴに身を投じていく、、、   







職業・殺し屋。

職業・殺し屋。 1 (ジェッツコミックス)

【あらすじ】インターネットの闇界隈に存在するホームページ職業・殺し屋。」。そこでは依頼者から提示された依頼料を基準に最も安い値段で競り落とす(ただし無料は厳禁)逆オークションと呼ばれるシステムを使い、依頼者からの殺人依頼を請けている。奴らは「大金」に興味はない。逆オークションで獲得したちっぽけな依頼料のみをもらい、殺人という快楽を求めるだけの卑しい闇の住人なのだから…。


初めて読んだ時(中学生)脳みそが溶けた

 
イケないことだから興奮しちゃう危ない奴ら


刺激ある生き方を諦めきれなかった究極の“遊び人”

とんでもない性とグロのコラボレーション

性の裏にはグロがある

グロの裏には性がある



どれだけモラルでカバーをかけようが、実際は性の放出や狂気や興奮に身をゆだねることは快楽であることはたしか

それを認め生きていたい。その手段としての職業・殺し屋


彼らにとっては殺しは趣味に近い

最高の快楽を得るためになんの躊躇いもなくターゲットの体をバラバラにする


それなのに独特の哲学をを持ってるところがかっこいい


悪人には変わりないけど、見境なく殺しまくるだけのただの狂人とも言い切れない
含みがある











普段は普通のサラリーマンを務めているが仕事になると突然人の命を食らう怪物になる

そのギャップが面白いし、本人たちにも必要なものなんだと納得できる


人間の心も体もグッチャグチャ




最高の刺激を求めるならこの漫画で決まり


 

 
 




 








Walts   

Waltz(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

【あらすじ】中学卒業後、家を出てうろついていた少年は次第に殺しに手を染めていくようになる。はした金で殺しを請け負っていた少年の前に岩西という男が現れ、少年を「」と命名しプロの殺し屋に育てると言い寄る。「蝉」と名付けられた少年は生まれて初めての拠り所となる人間との出会いに戸惑いながらも、本格的に殺し屋とし成長していく・・・


蝉はまさに最高の殺し屋


自分で決められない指示待ち的な性格、その躊躇のなさやたしかな実力

まさに天職といっていい

完全に道具としての才能がある



自分の中で生きがいを見つけられず、迷っていた蝉が岩西に拾われたことで生きる道を見つけていく

この2人の親子のようなやり取りがすごくおもしろい



殺しでも何でもするけど、寂しがりやな蝉と

殺し屋としての成功に結び付けようとする岩西

利用しながらも1番近くにで寄り添ってくれるから蝉は岩西を信用する

でも近づきすぎて時折うっとおしい


そんなつかず離れずの関係性


もどかしくも愛おしい


蝉をコントロールできるのは岩西だけ


善悪を超越した2人しかわからない絆がそこにはある
















 MURCIELAGO-ムルシエラゴ-

MURCIÉLAGO -ムルシエラゴ- 1巻 

【あらすじ】もともとは大量殺人鬼で同性愛者である長身の女性・紅守黒湖は死刑寸前に、死刑執行の無期延期を言い渡されて「国選処刑人」として活動するようになる。黒湖は相棒・屠桜ひな子と共に、凶悪犯罪者たちへの討伐を行っていく


病的なまでに“殺し屋”


長身に黒髪Iカップの前髪切りすぎちゃったメンヘラっぽい雰囲気がたまらない

だけど最強の殺し屋であるところが怖い

雰囲気も実力も相まってまさに死神のよう

かわいいけど怖いです



殺すときにわずかな躊躇も見せずに、桁違いの強さで殺してゆく




無表情で心底自分の命にも相手の命にも全く興味がない


依頼で人を殺せばお金は入るしいい運動になるしかわいい女の子との出会いもある


その程度。

やらないよりはやるほうがいい


その生き方しか知らないというのも根本にはあるけど



彼女にとってはターゲットは文字通り的でしかないし、

自分の命はいつ消えてもあたりまえの道具でしかない

そんな死を飼いならした彼女だからこそ最強でいられるのかもしれない


 
 

 

 





DOGEND

DOG END(1) (裏少年サンデーコミックス)


心優しい未だ人間  



今開かれる殺し屋の見本市 



物語は最強とうたわれた“黒犬”が
警察の依頼で少女を迫りくる殺し屋たちから
保護する任務を請け負うことから始まる

警察によって強化ガラスに囲まれた部屋で過ごす黒犬が、

依頼を承諾して手ぶらのパジャマ姿のまま、
爆薬も通じない強化ガラスを破壊してめんどくさそうな顔で外出を始める

かっこいい


そこから迫りくる殺し屋たちがこの男をピンチに陥れるわけだが、

それに値する殺し屋としての個性。強さに期待が止まらなかった


もちろんその期待を裏切ることもなく

元オリンピック選手、爆殺魔、大ウソつきの騙し上手、毒殺、カンフーの達人、
言い出したらきりがないほど多種多様


王道といえば王道だが、やっぱりおもしろい

それと意外なことに黒犬は常に苦戦を強いられる

それは彼の独特な“強さ”にも由来するのだが・・・












バイオレンスアクション


バイオレンスアクション(1) (ビッグコミックススペシャル) 





これが本当のキリングマシーン

女子高生はデリヘル嬢の殺し屋


とにかくかわいい!





浮世離れしてて、一般人どころかほかの殺し屋たちからも
一線を画して“別の存在”として描かれている 



殺人をしている最中だというのに。真剣なまなざし、
試行錯誤する様子、まるでスポーツでもしてるよう

あまりに逸脱してるので、殺しが残虐な行為に見えない



そしてかわいい


そんなの見たことがあるだろうか 

なんか狂気とも違う

ただただプロ。職人といって差しつかえない

仕事人っぷり 


これから過去編が描かれるかもしれないけど、
こんな人間がどうやったらできあがるのか
すごく楽しみでしかたがない   

 





殺し愛

殺し愛 (1) (MFコミックス ジーンシリーズ)



殺しという愛情表現


好きな子にちょっかいを出す子供のような好意の示し方に心を持ってかれる


いっぱい残酷に殺してそれを見せつけることで、かまってもらおうとするけど
女はそっけなく迷惑そうに眼をそらす


理解を求めてるわけじゃなく

ただの押し付け


自分の世界に触れていてくれながらそれでも自分のそばにいる人間を探し求める

うざったいけどこの男、殺し屋


そんなギャップが愛おしい魅力的なキャラクターが主人公


最近流行りの塩顔も取り入れている


麗しい愛ではなく泥臭くみっともない

けれどどこかかわいらしい









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