観た後に必ず暗い気持ちになるけど面白いオススメ映画4作品
特にいろいろ考えて思考がまとまらない時に暗い映画を探して観てました
ただ暗いだけじゃなく心底感動できた、深い深い映画を紹介します
基本ネタバレなしで
ダンサー・イン・ザ・ダーク
【あらすじ】主人公は歌手のビョーク演じるセルマ
決して裕福ではなく遺伝性の目の病のために視力が失われつつあり、セルマの息子ジーンも手術をしないと同じ運命をたどることになる・そのため必死に働くだけの日々。そんな彼女に残酷な運命がふりかかる
セルマがピュアすぎる(T_T)
こんなに陰湿で残酷で吐き気がする人間の闇を敷き詰めた肥溜めのような場所にいながらセルマだけはまるで思春期すらきてない子供のように異質に輝いて見えた
どれだけ他人の闇を押し付けられても悲しそうに眉間にシワを寄せてながら目を下に落とすだけのセルマは見てるだけで心が締め付けられる
頭が回らずに他人の悪意を理解できないって感じではなく、信じたいとかそうあってほしくないっていうホントに子供のようなわがままさ(純粋さ)がよけいに・・・
他人を傷つけようとしたことがないから他人の悪意にも鈍感なんだと思う
何歳なんだよ(´・ω・`)
前半はそこそこ周りの人が優しくしてくれるんだけど、それは社交辞令的なものでセルマには本当に寄り添ってくれる人はいない。女で1つで子供を育てお金もなくさらに自身と息子の病気のこともなんとかしないといけない。しかも何もない田舎で同じ景色を観ながら1日中働くだけ
だから辛さを埋めるためにいつも妄想に走る
妄想の世界だけが自分の存在を素晴らしい者にかえてくれたんだろうな(´・ω・`)
そんなセルマに追い打ちをかけるように周りの人間がセルマにたいして冷たくなっていくシーンはほんとにつらい
火垂るの墓みたいに
いとまから見れば社交辞令だけど、中途半端に優しくして純粋なセルマの心に取り入ってから利己的にかき乱す
セルマの気持ちと周りの人間の温度差がすごいんだよ(´・ω・`)
やっぱ他人はどこまでいっても他人なんだよね
多少のつながりがあっても自分に損か得のないことで他人に対して本気にはなれない(セルマのことを気にしてるようで気にしてない)
そんな現実も見えてくる作品
少年は自分に酔うことでしか自分を癒せなかった。
すべてのシーンとかセリフがリアルを正確に捉えてる
なんで少年が凶行に走ったのかっていう経緯に虐待がないってのが素晴らしい
他の作品だと犯罪を犯す=すぐ虐待とか安易なストーリ作りすぎ(´・ω・`)
その点この作品は緻密に親子関係を描いてる
セリフからなにまで
ケビンは幼い頃からずっと母親に反抗しつづけてるんだけど、それは単純に母親が自分を見てくれないから
もちろん母親は息子を愛してるつもりだが、心のどこかで誰にも縛られずに自由に生きていた若い頃を引きずりながら生きてる
それをケビンは気づいてたんだと思う
あ、この人は僕を見てないって
自分は邪魔なんだって
子供は勘がするどいしそういうの見てるからね
特にケビンはそういうことに敏感だった
普段の接し方にも母親の性格が出ていて、根底に自由でいたいっていう人生観があるからケビンが問題を起こしたときもケビンと向き合うことよりも、この問題(面倒事を)早く解決したいってのがあらわれてた
典型的な事なかれ主義
叱り方にも問題があって、なにかエバ本人の信念のようなものを感じない
ただそうするのはおかしいとか一般論と重ねて指摘してるだけでケビンの唯一無二の母親エバとして接してなかった
それは子育てに本気になれてないっていうのも起因してるんだろうね(´・ω・`)
本気じゃないからそれっぽいことを言うだけで自らから湧き出るものがない
普段は事なかれのくせに、突然思い出したのかようにいい母親を演じようとするのもケビンを傷つけた
子供の機嫌を取るってのは親が子供にやってはいけないことの1つだと思う
それをすると親は子供にとってまっすぐ自分を見てくれない遠い存在になってしまう
1番自分を縛り付けていたのはエバ本人
ケビンが奇抜な服装を着てる時に、もっと普通の格好しなさいと指摘したり、今の自分を過去と比較したり、
自分らしい自由な生き方を夢見ていたわりに、自分や息子を客体的に見て、なんか自分自身を普通であることに縛り付けてるように感じた
「自由の普通」を求めてる時点でそれは自由じゃない
最後のケビンに対してエバが言うセリフはめちゃくちゃ感動しました
たった1言にこの作品のすべてが詰まってます
ミスティックリバー
【あらすじ】ある田舎町でアンジェラヘイズという少女がレイプされて殺害された。7ヶ月たっても犯人は捕まらず母親のミルドレッドヘイズは警察に対して不信感を抱き、それはやがて怒りへと変化していった
そこで町外れの道路沿いに警察を批判する3枚の広告を載せる
そして、やがて町全体を巻き込んだ事件へと発展していく・・・
ズルいよこの作品(T_T)
中盤まですごい嫌なヤツでただ邪魔なだけの嫌いになりかけてた人が、突然いい人になって超重要人物になるんだもん(T_T)
この作品のいいところは全員のキャラが定まってない(1言では言えない)ところ
改めて考えてみると人間ってそういうものなのかもしれないけど、常に一貫してるわけではなく周りの状況に翻弄されながら戸惑いながらあらがっていく感じがたまんない
不条理なことが続いたら突然自分勝手に振る舞ったり、優しくされたら自分も人にやさしくしてみたり、すごく感情移入できて1人1人のキャラクターが愛おしくなった
あくまで犯人探しのサスペンスとしてじゃなくて、人間ドラマとして見てほしい
すごい気になるけどね(´・ω・`)
ありふれたサスペンスのように推理をしてしまった自分が憎い(´・ω・`)
この作品もね、誰かが救われるとかって話じゃないけど見終わったあとに少しほっこりした気持ちになった