『寿命を買い取ってもらった。一年につき。一万円で。』むせび泣くマンガの感想
普段マンガを読んでいて泣くことはない
ましてや無感情のニートを自称するいとまを泣かせるなんてとてもとても・・・
そんないとまでも今まで読んできたものの何本かには泣かされてしまったこともある
精神状態にもよるけど、この作品はしっかりと感動することができた
ということで感想やら諸々・・・
寿命を買い取ってもらった。一年につき。一万円で
[まとめ買い] 寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。
今を生きられる温もり
人生で一番長くて大切な三ヶ月
これは一生ものの作品かもしれない
そう思えるほど読み終わったと何度も頭のなかで反芻し何度も感動してしまうほどにすばらしかった
本当のことをいうと自分がどうして泣いているのかわからなかったし
不思議でしかたない感情なのに涙が出ていました
クスノキはミヤギにこれまでの人生のすべてをさらけだしていく
切なくて歯がゆくて照れ臭い
でも相手が監視員という立場だからこそさらけ出したんだと思う
それが特別な感情じゃなかったとしても自分を真剣に見てくれる唯一の存在ミヤギ。
これまで自信がなく閉ざして生きてきた矮小な“自分”という存在がミヤギの中でだけ大きくなるという1つの充実感がクスノキを満たしていく
くだらない人生を少しだけ照らしてくれた光
普通の人生では決して手に入れられなかったモノを後戻りできない状況になってやっと見つけてしまう
どうにかならないのか・・・って2人の距離が縮まるごとに胸がしめつけられた
てか泣いた
ミヤギのキャラがとにかくいい
黒髪で清楚な見た目に物憂げな様子
初登場からただよう悲壮感が悲しい過去をすでに想像させてくる
完璧
どこにでもいそうだけど、どこにもいなさそうな独読な美しさがさらにいい
ミヤギは過去を振り返るクスノキに甘い言葉なんてなげかけたりしない
現実を突きつけて苦しめながらも。同時にそれを乗り越える強さをくれる
最大の特徴
これだけ哀切この上ない話なのにミヤギやクスノキが感情を露わにするシーンが驚くほど少ない
過去を掘り返した時にすごいつらい事実が明らかになっても死を前に達観したような態度をとる。けれどミヤギとの日々が少しずつクスノキを多感な青年に変えていく様子は心臓を握りつぶされるほどに切なくて悲しい
情緒的だけど同時に現実的で濃密な会話が理解と共感と感動を静かにフツフツと心に湧きあがらせる
何度も読み返してもっと深く理解しようとした数少ない作品の1つ