10倍走りの質を高める『呼吸』
呼吸は体を支配している。
正しい呼吸法を繰り返すだけで、体と心の問題が改善できることは科学的にあきるほど証明されている。
とくに激しい運動をするときは呼吸が乱れることがわかりやすい関係性を示している。
正しい呼吸法を取り入れるだけで、走りの質はグンと高まる。
最低でも1日1回呼吸を意識する時間を作ってみよう。
吸う
呼吸の基本は吸ったら2倍吐く。
吸い込まれた空気は。気道を通って細胞へと取り込まれる。
気道には「死腔」という空間があり、空気が入細胞に届く途中で焼く150mlの空気が死腔にたまり、肺腔にとどくことなく吐き出されてしまう。健康な成人が1回で吸う量は約500mlだが実際に肺に取り込まれるのは350mlだけ。
さらに呼吸が浅くなると100mlまで下がりこれが続くと酸欠になる。
すると体が危険を感じて必死に酸素を取り込もうとする。これが“過呼吸”。
逆に深い呼吸だと1回で1000mlは吸えて、肺胞には850mlも送り込まれる。体内に充分な量の酸素がいきわたる。筋肉や心臓も酸素で満たされて活動に充分となる。
深いか浅いかの判断基準は口でしているか鼻でしているかでわかる。
口で呼吸すると浅くなり、鼻ですると深くなる。
普段は簡単だけど、運動しているときにも鼻ですることを意識することが大切です。
深い呼吸は体にいい
前述の通り、体に新鮮な酸素を満たすにはしっかり吸ってしっかり吐くのが大切。
息を吸うことで新鮮な酸素が血液中に放出されて全身をめぐる。そして吐くことで細胞が代謝をしたときに発生した古い空気を体外に出す。この呼吸と血液の循環の連携がうまくいくことで細胞は活性化して新陳代謝が高まります。
走った後に妙に肌の調子がいいなんてことありませんか?
代謝が良くなると肌のターンオーバーが正されて、古い肌がどんどん新しくてキレイな肌に生まれ変わる。
さらに血行がよくなって肩や腰のコリがほぐされる。
筋肉痛の治りも早くします。
逆に。血中の酸素が足りないとエネルギーの畜産工場であるミトコンドリアのエネルギー生産量も減り、疲れやすくなったり持久力が低下する。
しかしなにかに没頭したり緊張すると呼吸が浅くなりがち。
そこで習慣づけたいのが深呼吸。
気づいたときに深呼吸を数回するとそれだけで心身ともに緊張がほぐれて体内を十分な酸素がめぐる。
くわえて大隔膜が大きく動くことで腸や血管が刺激されて、むくみや便秘も改善される。
姿勢が悪いと呼吸は浅くなる
姿勢の悪さは呼吸に大きく影響する。
特に猫背は肺を取り囲む胸郭という骨格が硬く閉じた状態になっているから、肺の広がりは制限されてしまう上に、横隔膜の動きも低下する。
猫背が癖になっている人は運動時のフォームにも影響が出てそれだけ酸素は取り込めずに活動に充分なエネルギーを作り出せずにすぐにスタミナ切れを起こしてしまう。
すると血液やリンパの流れも滞り、回復するのも遅くなってしまいます。
まさに悪循環ですね。
ふだん座ってることが多い人は姿勢を意識して改善する努力をしたほうがいいです。
自律神経が整う
自律神経は体を覚醒させる交感神経と、体をリラックスさせる副交感神経があり、この2つがバランスをとって体の健康を保っています。
しかしストレスや不規則な生活がそれを崩します。
さまざまな方法でそれを整えることができるけど、その1つの重要な要素が呼吸です。
理由は呼吸で心拍数をコントロールできるから。
緊張したり運動をして心臓バクバクになってるときは深呼吸をするとゆっくりと静まってきます。するとそれに連動するかのように交感神経もゆっくりと落ち着いてきます。
さらにその呼吸を繰り返すと、副交感神経が優位になり、体がリラックスして神経伝達物質で幸せホルモンとも呼ばれる『セロトニン』が脳内で分泌する。セロトニンはうつ病を予防・改善することができる。