有酸素運動が筋肥大の邪魔をする?知られざる関係性
ボディービルダーのほとんどは減量期をのぞくとほとんどランニングなどの有酸素運動をしません。
というのも直感的に、有酸素運動をすると筋肉が疲労すること、エネルギーを消費して筋トレがうまくいかなくなると考えられているからです。
でもそんなことはありません。
上手に取り入れるとむしろ筋トレ効果を高めることだってできるんです。
筋トレで使われるのは速筋、有酸素運動で使われるのは遅筋なので、そもそも使われる筋肉が違います。
ただし、エネルギー不足という点ではたしかに懸念しなくてはいけない。
消費されつづけると、筋肉の分解が始まってしまう。
不足とはつまり糖質のこと。
筋肉は糖分を消費する器官。血糖値が下がってくると筋肉のタンパク質、つまりアミノ酸を分解して補おうとする。
だから有酸素運動はとにかく栄養補給。
スポーツドリンクは必ず飲んだほうがいい。
筋トレを先に、有酸素運動を後に
筋トレにおいて成長ホルモン・テストステロン(男性ホルモン)が大切。
成長ホルモンと男性ホルモンは筋肉の合成を助け、脂肪を分解する。
この2つを効率よく分泌させるには、有酸素運動を30分やった後に筋トレを行うこと効果的と最近の研究で明らかになった。
さらに有酸素運動は脳を活性化させるので、筋トレ時の集中力を引き出す効果も期待できる。
ダイエット目的なら順番が逆
脂肪を燃焼するには20分以上やらなきゃいけない。。。というのは聞いたことがあるだろうか。
あれはつまり、脂肪を燃焼するまでにはその前に糖質などが消費されて、それらが枯渇状態になった後で脂肪が燃焼され始めると考えられてきたからだ。
実際には糖質が血液中に満ち満ちているとより消費される比率が高い。というだけで運動を始めた直後から脂肪も燃焼されていて、血糖値が下がるごとに脂肪燃焼の比率が大きくなっていく。
なので事前に筋トレをやって糖分を使い切ってからのほうがダイエット効果は高い。
別日にやるのが最善
筋肉は常にアナボリックとカタボリックを繰り返す新陳代謝を行っている。
アナボリックは糖質・脂肪酸・アミノ酸をまとめて大きく合成する作業。
カタボリックは逆の筋肉・体脂肪・グリコーゲンなどの大きなものを小さく分解する作業。
安静時には2つの釣りあいがとれているけど、運動を行うとバランスが崩れて体に変化をもたらす。
筋トレをするとアナボリックが優位になって合成を促すが、有酸素運動はカタボリックを優位にして分解を促す。
全く真逆のことなので、これを同時に両立するのはあまり合理的とはいえない。
2つのそれぞれの効果を最大にするという意味では1つずつ違う日にやったほうが効果的でしょう。
有酸素運動だけでマッチョ化
かなり高度で理想論ではあるが、やり方しだいでは有酸素運動だけで筋肥大も狙っていける。
低負荷でも筋肉を何度も収縮させると、PGC1-αという遺伝子の転写因子が増えて、FOXO3αという転写因子が減り、筋肥大が誘導される。
ただし中途半端ではだめ。
もともとヒョロヒョロなら数分で効果は見込めるが、成長すればするほど追い込みが必要。
筋肉は相変わらず楽ができないのである。
自分の限界までしっかりと追い込むことが必要。
オールアウトするまで。